なぜサーフェイサーを使うのか、その効果を解説 [後編]


まいどです。

サーフェイサーの解説後編です。

⇩前編はこちらから

サーフェイサーの効果解説 [前編]

今回は続きの、4~6と、サーフェイサーを使用しないという選択について書いていきます。

4、下地色の統一

ガンプラの、例えばHGキットなどによくあるのですが、細かい部分の塗り分けで、黒や青のパーツの一部分だけ本体色の白を塗装しなければならない、といったこよがあります。

塗料は、特に淡い色の塗料だと顕著なのですが、下地の色の影響を受けます。

つまり、白の上に塗った白と、黒の上に塗った白では色味が全然違ったものになります。

色の影響の受けやすさを隠ぺい力と言ったりします。

白や赤、黄色などは隠ぺい力の低い塗料、グレーや紺などは隠ぺい力の高い塗料です。

近年は隠ぺい力を高く調整した白というのも各社発売していますが、それでも下地の影響をかなり受けます。

つまり、青パーツも白パーツも一度サーフェイサーで下地の色を同じ色にしてから塗装することで、もとのパーツの色の差によって上に重ねた塗料の色味の違いをなくすことができます。

とくに、オリジナルカラーで塗装する場合には下地の色が違うという状況が起こりやすいので、サーフェイサーで下地色を統一することは効果が大きいです。

5、上塗り塗料の発色コントロール

これは先ほどの「下地の影響を受ける」という性質を生かした塗装方です。

暗めにコントロールする場合

例えばミリタリー系の塗料では、実際の色よりもやや明るめに調整されていることが多いです。

戦車にダークグリーンを塗装するにしても、白の上に重ねたりすると明るくなりすぎます。

戦車などではオキサイドレッドやマホガニーといった茶系の色を使用すると、色のトーンを抑えることができるので、重々しい印象を与えることができるようになります。

オキサイドレッドサーフェイサーは実機の戦車のさび止めの下地塗料をイメージして作られたそうです。

また、グラデーション塗装を行う場合は、そのまま陰色として残すような使い方もできます。

塗料本来の色を発色させる場合

淡い色の塗装では特に重要な効果です。

特に、赤、黄色などは隠ぺい力が極めて低く、下地色の影響を露骨に受けます。

そこで、同系色さらにで淡い色のサーフェイサーを下地に選択することで、塗料本来の色で発色させることができます。

ピンクサーフェイサーは赤やピンクで塗装するときの下地に、クリームサーフェイサーは黄色で塗装するときの下地に選択すると効果的です。

よく白のサーフェイサーが使用されていることが多いのですが、実は下地の白が透けてしまって、上に重ねる赤や黄色が白の影響を受けて若干色味が変わっているのです。

赤や黄色、オレンジなどの塗料本来の色を出すにはピンクやクリーム色です。

また、白を下地にして塗装すると、色むらが起きやすいという欠点もあります。

下地にピンクやクリーム色を採用することで、色むらを抑えることができます。

 

これはミニマムファクトリーのランカ・リー、腰のリボンのパーツです。

パーツのもともとの色は暗い赤で、その上に鮮やかな赤を塗装するので、下地にピンクサーフェイサーを使用しています。

そして、陰になる部分に茶色を塗装しています(茶色はサーフェイサーではなく普通の塗料ですが)。

その上に赤を塗装しました。

ガイアノーツのディープローズレッドを使用して塗装しています。

すぐに目的の色にコントロールできました。

陰になる部分が若干暗めにコントロールされているのがわかるかと思います。

 

6、プラスチックの透け防止

実はこれがかなり大事なのですが、あまり紹介されていなかったりします。

プラスチックは光を通します。透けちゃうのです。

これはHGUC百式のバックパック、バインダーのパーツです。

光にかざすと裏のダボ穴がばっちり透けて見えるのがわかります。

光にかざさなくても表面からダボ穴が透けて見えます。

塗装するとここまで透けることはないですし、メタリック塗料は金属粒子で表面を覆うため、透けることはあまりありませんが、メタリックでない塗料で塗装する場合には、下地のサーフェイサーで光を遮ってあげる必要があります。

完成後に照明を当てて撮影しようとすると透けちゃったりするのでね。

ブラックサーフェイサーを吹いた状態です。

表面からは裏側のダボ穴が見えなくなっていますね。

実際の戦闘機や戦車などは金属の塊です。

パーツが透けるなんてことはあり得ません。

プラモデルの作品にリアリティを求めるなら、光の透け防止の効果は非常に大きなものとなります。

ガンダムだって金属の塊ですから、写真を撮るときにパーツが透けているようなら途端におもちゃっぽくなってしまいます。

 

缶スプレーと瓶入りの使い分け

サーフェイサーには缶スプレーと瓶入りがあります。

どのように使い分けるかというと、ある程度大きさのあるものは缶スプレーで、細かいものは瓶入りをエアブラシで塗装する、といった使い方になります。

スケールモデルなどはある程度組み立ててから全体にサーフェイサーを吹くのですが、これを吐出量の少ないエアブラシで行うと、表面にザラツキが出ることがあります。

缶スプレーは大面積を一気に塗装するためのものです。

その利点を最大限活用しましょう。

他にもランナー丸ごと塗装するような場合にも重宝します。

HGUC百式はランナー丸ごと塗装したので缶スプレーは楽でした。

ただ、1本あたり600円とかするので、財布には優しくないかもしれません。

反対に、パーツ単位で塗装する場合には瓶入りをエアブラシで塗装するのがいいでしょう。

細かい部分にもエアブラシならむらなく塗装しやすいので、そのような場合にはエアブラシが重宝します。

 

サーフェイサーを使わないときってどんな時?

ここまではサーフェイサーを使用する利点について解説してきました。

では、逆にサーフェイサーを使う必要がない、もしくは使わない方がいい状況としてはどのようなものがあるでしょうか。

これまで解説した効果の反対を考えてみればわかります。

  • ラッカー系などの定着性の高い塗料を使用するとき
  • ゲート処理程度しか表面の処理を行っていないとき
  • 極細のモールドが入っているとき
  • 下地色にばらつきがない場合
  • 上塗り塗料の発色を妨げない成型色の場合
  • 光の透けを気にしない場合

 

ラッカー系などの塗料はもともと定着性が高いので、塗料の食いつきに関してはそこまで気にする必要はないでしょう。

アクリジョンを塗装する場合でも下地につや消しクリアーなどを吹いてあげればその上に塗装して定着させることは可能です。

ゲート処理程度しか表面処理をしていないのであれば、意図せず大きな傷が入っていることはまずないでしょうから、表面のチェックはそこまで必要ではないでしょう。

パーツに入っているスジ彫りなどのモールドが極細で、サーフェイサーを吹くとその溝が全部埋まってしまうような場合はサーフェイサーを使用しない方がいいでしょう。

グレーのパーツを黒一色に塗装する場合や、白いパーツに赤を塗装する場合には(色むら等起こさないのであれば)下地の色は気にしなくてもいいでしょう。

別に光が透けても気にしないって人はサーフェイサーを使用しなくてもいいでしょう。

また、フィギュアを塗装する場合などは光を遮る方が不自然になるので(人体は半透明の層の塊)、パテを使った加工等を行っていないのであれば、サーフェイサーを使用しない方がいい場合もあります。

 

ここまでで何故サーフェイサーを使用するのか、どういう効果を狙っているのかなど、知っていただけたかなと思います。

必ずしもサーフェイサーが必須なわけではないので、(サーフェイサー買うのもお金かかりますし)効果が必要ないと判断した場合には使用しないという選択肢もアリです。

私はあまり改造とかしないので、発色コントロールと透け防止の目的で使用します。

塗装は奥が深いので、ここでは説明しきれない発色コントロールなどもあるので、そのあたりは制作記事の方で紹介できればなと思います。

 

ではまた。

 

 

 

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